寮は学生だけのものじゃない! 今時の社会人向け寮事情
寮といえば、学生向けに提供される居住施設を連想する方が多いかもしれません。もちろん、寮の中には学生寮も含まれますが、利用者は学生のみとは限りません。この記事では、社会人が利用できる寮の特徴や、メリット・デメリットをご紹介します。
社会人向けの寮もたくさんある
学生向けの寮と同様に、社会人向けの寮もたくさん存在します。社会人が利用する寮は「社員寮」と呼ばれ、採用している寮の特徴は企業により異なっています。社員寮は企業が社員に提供する福利厚生の一環であり、該当する企業に所属する社員のみが使用可能です。
企業の社員寮は独身者を対象とした住居が多く、既婚者は利用することができません(例外あり)。家族と同居することが可能な住居には、社宅があります。寮と社宅の区別には厳密な定義はありませんが、一般的には独身者向けの住居を社員寮、世帯向け住居を社宅と考えることが多いでしょう。
代表的な寮の種類
企業が採用している寮の形態をご紹介します。
- 独身寮
未婚であり、子供がいない社員のみを対象とした社員寮です。一般的な独身寮は、入社から数年以内の若手社員を対象として提供されることが多いでしょう。入居可能期間(数年程度、または基準となる年齢まで)の満了や結婚などにより、いずれは退寮しなければなりません。 - 単身赴任寮
単身赴任先で使用することになる社員寮です。主に独身者や単身者(所帯を持ちながら一人で暮らす者)を、対象としています。 - 家族寮(社有社宅)
世帯向けに企業が提供する寮です。ファミリー向けのマンションや団地を、企業が一棟所有しています。形態や特徴は社有社宅と変わりません。名称は企業により異なりますが、ほぼ同様の意味で使用されています。
社会人向けの寮の特徴
社会人に向けて提供される寮には、一般的な社宅にはない特徴が存在します。独身寮や単身赴任寮には、食堂や浴場などの共有スペースが設けられていることが多く、居住者は自由に利用することが可能です。施設の管理運営には、寮母や専門のスタッフが常駐しており、居住者の生活をサポートしています。
各部屋には家具や電化製品が完備され、入居と同時に不自由ない暮らしを始めることが可能です。また、セキュリティ面の対策も整っており、女性社会人などには嬉しい環境といえるかもしれません。
具体的な設備やサービス内容は各企業により異なりますが、いずれの場合でも、社会人の生活に必要な環境が整えられた居住施設です。
社会人が寮に住むメリット
寮生活には、他の住居にはない多くの利点が存在します。
①家賃や光熱費が安い
寮の利用は企業の福利厚生の一環です。発生する家賃や光熱費は、民間の賃貸契約物件の家賃相場よりも低く設定されています。必要な費用や福利厚生の範囲は企業により異なりますが、金銭面の負担は間違いなく抑えることができるでしょう。
②家事の手間が省ける
食堂や共有の浴室などを上手く利用することで、日常の家事負担を軽減することが可能です。
③毎日の通勤が楽
社会人向けの寮の多くは、立地を考慮して建設されています。企業に近い社会人寮を利用できれば、日々の通勤が楽になるでしょう。
④防犯対策になる
民間物件の一人暮らしには、防犯面におけるリスクがつきものです。社会人向けの寮には、充実したセキュリティが施されています。一人暮らしの物件に不安を感じる場合には、防犯対策がされている寮生活が合っているかもしれません。
社会人が寮に住むデメリット
寮を利用する際には、留意しておかなければならないポイントも存在します。
①プライバシーを確保しづらい
寮生活はプライベートな空間を確保しづらい、という特徴があります。生活の中で同僚と顔を合わせる空間は独特です。環境次第では、公私の切り替えが難しいと感じることもあるでしょう。
②利用規則がある
社会人向けの寮には、独自の規則が設けられています。多くは生活に関するものであり、門限や共有スペースの利用時間、外泊許可や来客の制限など、規則に従った生活が求められます。
③部屋や家具を選択できない
寮生活は決められた施設内における生活です。個人で契約する賃貸物件とは異なり、間取りや家具など、自分の趣向に合った環境を整えることはできません。
④建物や設備の老朽化
建物自体の老朽化は避けられません。築年数が経過している寮であれば、内部の設備や間取り、備品など、現代の生活環境にそぐわないこともあるでしょう。
まとめ
寮は学生だけが利用する施設ではありません。社会人が利用できる寮も多く、形態は様々です。寮に関する具体的な特徴や規則は、各企業により異なっています。寮生活の特徴を正しく把握しておけば、快適な社会人寮生活を満喫できるかもしれません。